逆ギレさんとみちのくの虫

山形で本業を忘れて虫採りをする大学生のブログ。いろんな虫に中途半端に足を突っ込んでいます。

台湾採集旅行記2016.9(後編)

9/3

朝のうちにチョウを中心に追加してから宿に戻り、荷物をまとめます。

昼前にはA地区を出て、電車でA→台北→八堵(バードゥ)→瑞芳(ルイファン)と向かいました。瑞芳から金瓜石行きのバスに乗り、九份老街で下車。料金は20元ほど。九份千と千尋の神隠しの背景モデルとされることで有名な、賑やかな観光地です。

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18時くらいに九份に到着し、今日からの宿にチェックイン。

宿は目的地から近く、なるべく安いところをとりました。

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一泊朝食付きで、観光地としてはお安い2670円ほど。ただし清潔さには少々欠けるようで、ベットには大量の髪の毛…簡素でちょっとアレでアレなシャワー室に至っては、潔癖のキキヤミが使いたがらない始末(笑)とりあえず荷物を部屋において観光に繰り出します。

細い路地に連なる赤い提灯と所狭しと並んだ店。香辛料や臭豆腐の匂い。異国情緒たっぷりの景色にテンションが上がりまくりです。

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ルーロー飯や炒飯といった定番メニューの他に、お化けみたいに大きなエリンギ、肉入りの真っ赤な甘い餅、串刺しの果物、その他よく分からないけれど刺激的で美味しいものを三人でシェアしながら食べました。

 

そのあとは周辺を散策。

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このあたりから自分の体に異変が起きました。台湾ではトイレに紙を流すのが一般的ではなく、ティッシュなどを持参して使い、備え付けのゴミ箱に入れます。衛生的にはちょっと疑問です。私が排泄時にティッシュをゴミ箱に入れると鮮血が付着していました。まさか台湾に来て初めての痔を体験することになるとは…(笑)と、かなり軽く受け止めました。

 

宿に戻り、明日の行先を相談して早々に寝ました。

 

9/4

朝の4時くらいでしょうか。お尻のあたりに不快感を覚えて目を覚ますと、わりと信じられない量の血液が付着していました。ただし、痛みは全くありません。

ビジュアルが壮絶すぎて若干パニックになりながら、一周回って爆笑して二人を起こし、「やばいやばい!!ケツから何の違和感もなくめっちゃ血が出たwwwwwww」と訴えると、雪山は寝ぼけながら「え、大丈夫…?」と心配してくれましたが、キキヤミは「え~今何時だと思ってるの~~??朝になったら好きなだけ心配してあげるから今は寝かせて~~!!」と言って寝直しました。お前だけは許さん。

心配されなかったし、血が出ていること以外に変わった症状がないので、まぁいいかとなって下着とズボンを洗って生理用品を後方に付けて私も寝直しました。

 

起床後、早朝の出来事を二人に話すも、キキヤミは「だってうるさいじゃん!!早朝だよ!?人の迷惑考えて!!!」ととんでもない逆ギレを浴びせられました。どっちが逆ギレさんかもう分かったもんじゃない。

台湾では水道水をそのまま飲むことが出来ないので毎回きちんとペットボトルに入ったものを飲んでいたし、食べるものも三人でシェアしていたのでほとんど一緒です。特別辛いものも食べていません。中国語が全く喋れないので病院で病状を正確に訴える自信が無い上に、その後の出血や痛みもないので病院には行かずに当初の予定を遂行。(絶対マネしないでください)

 

雨の予報でしたが、雪山の作ったテルテル坊主のおかげか、朝は快晴。

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宿で出してもらった朝食。サンドイッチとインスタントのカフェオレです。このカフェオレが本当に美味しくて、台北のスーパーでお土産に何袋か購入しました。

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この日は黄金博物館と黄金瀑布の観光、道すがらに採集、戻ってきて近くの山に入る、という予定です。“黄金”のフレーズから感じる成金感に、よく調べもせずに冷やかし半分で「ここに行こう!!(笑)」という軽率な決め方をしました。

九份老街にある宿から黄金博物館へは歩いて向かいます。ちなみに、九份老街にも同じ名称の「黄金博物館」なるものがありますが、こちらは名前だけ騙った偽物です。分かっててあえて行くという高度な楽しみ方もありますが、今回はスルー。

 

道沿いで見かけたお墓。カラフルでとても可愛い。形は沖縄で見るものに似ています。

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黄金博物館近くになると少し入り組んだ石段の道があり、涼しげな緑に囲まれています。舗装された道路を外れてこちらから博物館へ向かいました。

そこで暗い感じのチョウとツマムラサキマダラっぽいチョウが同時に飛んできたので、暗い方をとりあえずネットイン。胸部圧迫して、表翅を見た瞬間その美しさに驚愕しました。

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色の組み合わせがドストライクですが残念ながらこれもまだ名前が分かりません。

(追記 2017.2.8:ルリモンジャノメ Elymnias hypermnestra であると指摘いただきました。)

 

そしてこの道をさらに行くと、木漏れ日をキラキラと反射させながらテリトリーを張るコノハチョウが!!台湾だから合法!台湾だから合法!と、はやる気持ちを抑えて震える手でネットイン。

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堂々とした佇まいに、鮮やかなコントラスト…圧倒的引力を感じます。

沖縄では多数の個体を見ていて(しかも狙いのチョウを追いかけまわして散らしたりするので少々憎い)、悶々とする蝶だったのですが採集対象としてみるとこれだけ引き込まれるチョウもなかなかいません。沖縄でも個体数は多いんだから採集禁止になんてせず、様々な方法で愛でたらいいのに…。

 

ようやく黄金博物館に到着しました。黄金博物館は金の採掘に関する博物館です。英語でも解説があったのでサラッと見てきましたが真面目かつ分かりやすく展示がしてあるので一見の価値ありです。金を使った工芸作品?に虫をモチーフとしたものもありました。

 

それよりも博物館周辺で憧れのアオタテハモドキが飛んでいるのを見てしまった私は、あれをいかに観光客の目に触れない場所で数頭採集させていただくか…ということで頭がいっぱいでした(笑)

敷地内に採集を禁止するような看板はありませんでしたが、観光客はとても多いです。

 

二人がまだ鑑賞に時間がかかりそうだったので、博物館から少し離れた人気の少ない上り坂の小道で採集させてもらうことにしました。

 

アオタテハモドキ初採集!!これもいつか採ってみたい憧れの蝶でした。

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幻想的なマリンブルー…本当に美しい。

 

クロタテハモドキも初採集。鮮やかさでアオタテハモドキに霞んでしまいますが、繊細で丁寧な色使いが素敵です。

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他にもクロアゲハやカラスアゲハなんかが道沿いを飛んできました。

夢中になって採集していると後ろから若いアジア系のカップルがやってきました。とりあえず笑顔で「ニーハオ!」と挨拶して“不審者じゃないよアピール”をします。もう慣れたものです。

 

男性「What are you doing?」

私「I catching insects and make a specimens.」

男性「Really? That’s great! Where are you from?」

私「I’m from Japan.」

男性「僕も日本人です」

 

爆笑しながらカップルと別れました。

 

 

こちらはアオタテハモドキの♀。博物館の前には柵で囲われた小さな芝生?があり、そこにもアオタテハモドキが多かったです。

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人が多かったので網はリュックに仕舞って、スマホ片手にローアングルで写真をパシャパシャ。網を仕舞っていたので気にしていませんでしたが、たぶんこれも十分に不審者です。

 

 

博物館に戻って二人と合流し、外のテーブルで休憩。

そこにいたオシャレなガガンボ。生まれて初めてガガンボをかっこいいと思いました。

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博物館の敷地内にある小さな露店?でお昼を買い食い。“大腸包小腸”というもち米?のソーセージを半分に割って豚のソーセージとパクチーを挟んだものが美味しかったです。

博物館から出ているバスで黄金瀑布へ向かいます。

 

黄金瀑布は金の採掘とはあまり関係なく、このあたりの土や岩がきれいな黄色をしていて、それが黄金色に見えるという滝でした。

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川の水が土ごと海に流れ込むので河口は黄色く、だんだんと深い青色になっていくグラデーションが美しかったです。

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私はこの航空写真を見たときに、軽率に「水深の浅い砂浜が広がってる!ビーチコーミングできるぞ~!!」と思っていましたが実際は海の色で、海岸沿いは完全に岩場でした(笑)

 

 

炎天下の中そこそこ歩いたので帰りはバスで。と思ってバス停で待っているとタクシーがやってきて、バスはもう来ないというようなことを身振り手振りで伝えてきました。何言ってんだ時刻表だって確認してるし来るに決まってんだろと思いましたが、運転手さんの提示してきた金額が三人分のバス代とほぼ同じだったので乗ることにしました。

 

快適に次の目的地である小さな山の入り口に送ってもらいました。(道が混んでゆっくりと進んでいる中、人をこすりそうなくらい塀すれすれに追い込んで歩行者から車体を叩かれたりしていた。怖い。)

 

小雨が降ったり晴れたりと落ち着かない天気の中、山を登りはじめます。

 

 

石段をのぼるナナフシ。もうちょっと体に合った背景で頑張れ!

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展望台のようなところまで到達したあたりでキキヤミがくたばり、ここで待ってるから二人で行ってきて~と言われました。貧弱貧弱ゥ!!

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こんな感じの道をてくてく歩いてチョウをいくつか採集したところで雨が降ってきました。気温が下がって、チョウの採集にはあまり良くありません。キキヤミを待たせていることだしと引き返しました。

展望台に戻るもキキヤミはいません。実にマイペースです。きっと先に下山しているのだろうと足早に山を下ります。入り口で待っていたキキヤミと合流。九份に戻りました。

 

 

私と雪山もバテ気味だったので九份老街の喫茶店に入り、休憩しました。

いつもなら別々のものを頼んでシェアしますが

 

キキヤミ「逆ギレはケツから血出てるし感染したくないから雪山さま一緒に食べよー!」

雪山「そうだね」

 

お前ら今に見てろ、パンデミックを起こしてやるからな…と思ったりもしましたが寝食を共にした二人が、帰国後も私のような症状が出なかったのは本当に不幸中の幸いでした。

九份最後の夜なのでお土産なんかも買い漁って、はしゃいで過ごしました。それぞれに一番似合う柄のチャイナドレスを見繕いあって買ったりして、修学旅行で木刀を買う中学生となんら変わりありません(笑)

採集品の整理をし、クタクタに遊び疲れてこの日は寝ました。

 

 

9/5

 

宿で出された朝食を食べ、台北に向かいます。

荷物の整理をして、台北へのバスを待っていると我々の大荷物に目を付けたタクシーのおじちゃんがやってきて、身振り手振りで乗って行けと言います。バスより1時間以上早く着くとのことで、電卓で金額を提示してきました。三人分のバス代よりは少しだけ高いですが、荷物を抱えて狭いバスに長時間揺られることを考えたら、タクシーで移動するのもまあアリだなと考えてお願いすることにしました。

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が、タクシーに乗り込んで絶句しました。

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フロントにはごちゃごちゃとおもちゃが並べられ、車内はいたるところに括りつけられたぬいぐるみ…(笑)

こんなんでまともに運転できるのかと疑問に思いながら出発。運転手さんが気を利かせて演歌を流してくれたりもしますが運転が本当にヒドイ。何もないところで止まる、急加速、急ブレーキの連続で生きた心地がしませんでした(笑)

我々のざわつきに「ダイジョーブ!ダイジョーブ!」と運転しながらノートを広げて渡してきました。大丈夫じゃねえから前見て運転してくれ。

 

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やっぱりこのタクシーは失敗だったかなと思いながら台北まで送っていただきました。酔いやすいキキヤミは運転開始直後に撃沈。普段酔いづらい雪山と私ですら最後はテンションだだ下がりでした。

 

昼には雨の台北に到着。あまりに気分が悪くて屋根のあるテーブルとベンチでしばらくダウン。そこからのそのそと宿に移動し、チェックイン。

今回の宿は西門(シーメン)にとりました。20階建てくらいのビルがフロアによってさまざまな使い方をされていて、七階がこの宿泊施設のようでした。指定の番号のドアを開けると3つの扉があり、一号室と二号室、共同のシャワールームといった造りになっていました。我々は一号室なので二号室は別のグループが使うようです。小さなシングルベッドとダブルベッドが狭い部屋にギッチリと配置された三人部屋です。一泊驚きの1257円ほどですが、九份の宿のようにシーツに髪の毛は散らばっていなかったので一息ついて付近の散策に出かけます。

 

西門はいかにも若者の街、といった感じでメインストリート沿いに流行りのお店が軒を並べています。個人的には昔の渋谷に近いイメージです。三人でいろいろと見て回りました。

 

せっかくの台湾旅行なんだから夜市なんかも楽しみたい!ということで最後の二日間は華やかな台北に滞在して、地下鉄を駆使して観光や採集をしつつ夕飯は夜市で、という計画です。

この日の夕食を食べに訪れたのは饒河街観光夜市。MRTという地下鉄を使ってXimenからSongshanへと移動します。切符の代わりに妖怪メダルみたいなものが出てきて、それを改札に当てて電車に乗り、目的の駅の改札で回収されます。コストはかかるかもしれませんが、繰り返し使えていいなぁと思いました。夜市はSongshanを出てすぐにあるのでわかりやすいです。

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細い道を取り囲むようにたくさんの露店が並び、大変活気があります。とりあえず気になったものを胃袋と相談しながら購入し、楽しみました。

 

宿に戻って、順番にシャワー室を使います。二号室は中国語を話す男性のグループで(壁が薄いので聞こえてくる)、シャワー室を使った後のようだったので気兼ねなく入れます。潔癖のキキヤミが「無理!!!!」とか言いながら消毒用のアルコールをボトルで買って、いたるところにぶちまけて使っていたので使用直後はシャワー室がとてもアルコール臭くなりました(笑)

 

寝る前に壁や床を走るゴキベビーを複数確認し、荷物(特に採集品)に侵入されないように対策をして、何も見なかったことにして寝ました。

 

 

9/6

 

帰国予定日は明日なので、今日が採集のラストチャンスです。雪山とキキヤミは北投温泉へ観光へ、私は交通の便が良い別の場所で採集しようという予定です。

 

朝は宿の裏手にあったご飯屋さんでルーローハン(とろっとした肉のそぼろ丼みたいなもの。安くて美味しい。)を食べて行動開始。航空写真で圓山大飯店という高級ホテルの近くに目をつけて、MRTを使い剣潭で降ります。(今回に限り、具体的な場所を出している理由は後述します。)

圓山公園は森林公園のようになっており、時折すれ違う人に「ニーハオ!」と挨拶しながら入り組んだ道をてくてく登ります。

 

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 (2017.2.8 追記:ミワヒラタではないかとの指摘をいただきました。)

 

突如「ギャッギャッギャッギャッ!!!」と悪魔のような声が上の方から聞こえてきて何事!!?と思って顔を上げると、デカめのリスが鳴いていました。おそらくタイワンリス。鳴き声全然可愛くない!(笑)

 

道沿いは木陰で涼しく、クロアゲハやキチョウ、ジャノメチョウの仲間が時々飛んでくるくらいであまり蝶はいません。

 

1時間くらい歩き続けるとだんだん道が明るく、標高も上がってきました。

まだ見たことのないような蝶が後ろから私を追い越していったので、反射的に網を振りました。

 

慎重に胸部を圧迫しながら翅を開くと柔らかな青と赤が広がり、胸がときめきます。なんて綺麗……。

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アップダウンを繰り返すうちに道幅も2mくらいに広がってきて、サルビアのような赤い花とランタナが植えられています。

特に赤い花の方にタイワンモンキアゲハ、ルリモンアゲハ、カラスアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハなどが訪花しており、ここでやってくるチョウをしばらく採集。旅の前半で訪れたAと比べるとルリモンは特に翅のボロい個体が多く、ほとんどキャッチ&リリースしながらボケーっと地べたに座ってチョウを眺めていました。

 

すると、レース模様のような裏翅を持った愛らしいシジミチョウの仲間がやってきました。私の汗を吸いに来たようです。

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 (2017.2.8 追記:アマミウラナミシジミ Nacaduba kuravaであると指摘いただきました。)

私は小型の蝶の軟化展翅には自信が無いので、今回の遠征ではシジミチョウは採集せずに写真だけで楽しむことにしていました。

 

他にはこんなきれいなシジミチョウも。どちらも後翅にピッと入ったキラキラの明るいブルーが魅力的です。

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 (2017.2.8 追記:ヒイロシジミ Deudorix epijarbas ではないかとの指摘をいただきました。)

網を地面に置いて、チョウを待ちながらだらけていると15人くらいのおじさんおばさん集団が。「ニーハオ」と挨拶すると、何か中国語で話してくれるのですがさっぱりわかりません。網を指さしたりして何か言っていますが英語も通じないので笑顔で首をかしげるしかありません。

その集団が行ってしまうと、すぐ後ろからもう少し歳のいったおばさん二人組がやってきて、「日本人ですか?」と聞いてきました。「そうです」と答えると「さっきの人たちは、ここはみんなの場所だからチョウを捕まえてはダメだと言っていたの」と親切に教えてくださいました。びっくりして「ありがとうございます!すみません、知らなくて…」と答えると「はじめて来た人は知らなくて当然、次は気を付けてね」と優しく教えていただきました。

 

ということで、圓山周辺は条例か地域住民の暗黙の了解かは不明ですが、昆虫採集には適さない場所だということが分かりました。逆に、チョウの撮影には向いているポイントではないかと思います。これを読んだ方は台北での採集時にはお気を付けください。さすがに今回圓山で〆たチョウを捨てていくわけにもいかず、反省とともに持ち帰りました。

 

 

台湾の国立公園は基本的に採集禁止なので避け、採集予定地が昆虫採集禁止になっていないかネットで調べてから採集に臨み、看板で注意書きがあれば引き返すなど、ある程度注意を払っていたのですが今回はの件は現地で教えていただかなければ分からなかった情報とは言え現地の方々に不快な思いをさせてしまったかもしれず、非常に反省しています。

 

その後はすぐに網をリュックに仕舞って来た道を戻りました。飲み物を買わずに採集に出てしまったため、降りきる頃には軽い熱中症の症状が出たので二人との合流予定の時間までコンビニのイートインでしばらく休憩しました。

 

夕方、二人と合流して士林夜市へ向かいます。MRTのJiantanで降りて看板通りに進んでいくと、賑やかな露店と大きな建物の入り口に出ました。士林夜市はこの建物の地下一階?にあるフードコートのようで、ここなら雨の日でも楽しめると思います。

まずは外の露店をさっと回ると、美味しそうな果物を売っているお店やパチモンのお土産屋さん、さまざまな料理のお店が並んでいました。キキヤミが果物屋さんでマンゴーを買ったので一口分けて貰うと、信じられないくらい甘い!!!口いっぱいに幸せが広がります。キキヤミ曰く、前に一度だけ食べたことのある超高級マンゴーに匹敵する甘さだそうです。値段はよく覚えていませんが日本での価格のおよそ1/3程度。こんなに甘いマンゴーがあることに衝撃でした。

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フードコート内のお店でいくつか食べ物を買い、テーブルで分け合いながら食べました。(ちなみに下血の量はだいぶ少なくなっていました、が、まともな神経をしている人間なら絶対に食べ物のシェアなんかしません。つまり、まともな判断力を持った人間はこのパーティには存在しません。)

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黄金博物館でも食べた大腸包小腸。気に入ったのでここでも購入しました。パクチーの香りがたまらない。

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他にも蟹の素揚げと空芯菜の炒め物を注文しましたが、これがめちゃくちゃ美味い!!サクサクと軽い食感で旨味の強い蟹。空芯菜とみじん切りのニンニクに味付けて炒めたものがこんなに美味しいなんて知りませんでした。

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美味しいものをたくさん食べて士林夜市を後にし、夜の西門を観光しました。

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宿に戻るとどう使ったらこうなるんだという具合に共用のトイレの便座が壊れていてぶちぎれるなどしましたが、とりあえず荷物整理をして寝ました。

 

 

9/7

 

昼前には二号室への怒りのメッセージを英語で書き置きしてチェックアウト(笑)喧嘩は避けたいので言い逃げです。

今日の夜には飛行機に乗るので、余裕をもって採集はせずに観光とお土産探しを楽しみます。最初は漢方薬やお茶のお店が立ち並ぶことで有名な観光スポット、迪化街に行きました。

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よくわからない漢方薬が所狭しと並べられている光景は胸がワクワクします。お茶を買ったりお香を嗅いだりして楽しみました。ひとしきりお土産を買いあさった後は、少々気恥ずかしいですが女子大生らしく人気のスイーツを食べに行ったりしました。

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豆乳を豆腐よりも柔らかく固めて冷やした豆花(トーファ)という食べ物。フルーツと一緒に食べます。暑い中を歩き回ったので口の中に広がる冷たさは心地よく、優しい甘さでとても美味しかったです。

 

 

その後もいろいろと遊んではしゃいでMRTで台北駅へ向かい、台北駅からバスで桃園国際空港へ向かいました。バスを待っている時に、桃園国際空港ではない別の桃園行の列に並んでしまっていましたが、親切なおばさんたちが私たちのチケットを見て中国語とジェスチャーで正しい列を教えてくれました。危うく飛行機を乗り逃がすところでした(笑)台湾の人たち本当に優しい…。

 

順調に搭乗手続きをして、21:50の便で台湾を発ちました。

謝謝台湾!!また来ます!!!

 

 

9/8

 

01:35に関西国際空港に到着し、この日の一番安い仙台行の夜行バスに乗るために空港でまた18時間ほど時間をつぶしました。(とてもしんどい)

 

9/9

 

朝10時に仙台駅に着き、そこからバスで一時間かけて山形へ。やっと帰宅しました。大阪からの帰りがしんどくて山形に着くころには全員無言(笑)

 

そして帰国したので荷物整理の後、病院へ行ってきました。この時には下血はほとんどありませんでしたが疲労でふらふら。近所の病院へ行ったら、精密検査が必要なので大学病院へ行ってくださいと言われて出直し、腸の粘膜?を綿棒で採って提出。そしてよく分からないまま点滴を受けるはめに。

 

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検査結果が出るには一週間ほどかかるそうなので、病院から帰ってそのまま寝ました。病院へ行ったあたりから熱が出て(たぶん風邪)、でもやらなきゃいけないことや気になることがたくさんあったので38度台でも3日ほど動き続けた結果、長引いたし手酷く寝込みました。あまり無理しちゃだめですね。

 

検査結果としては、病院に来るのが遅すぎたので何が原因だったかは分からずじまい。お医者さんによると、おそらくは現地のアメーバか何かにやられたのだろうということでした。濃厚接触者二人が無事なので感染のリスクは低い、ただし大事をとって今後なるべく人との接触は避けることと、二人にも異変があればすぐに病院へ行くよう伝えるように。と仰せつかりました。

 

 

とりあえずは無事?に帰ってこれたのでめでたしめでたしです。海外旅行経験者が誰一人いない上に中学生レベルの英語ですら怪しいポンコツメンバーですが、初めての台湾を存分に楽しむことが出来ました!じりじりと照り付けるような太陽、鮮やかな生き物たち、独特の自然、香辛料とフルーツの香りが恋しくてたまりません。

主観100%の台湾採集記にここまでお付き合いいただきありがとうございました!

 

最後に、なぜ今更9月の記事をアップしたのかというと、“台湾に行きたいわん病”をこじらせた勢いで来月末の台湾往復航空券をとってしまい、この遠征に行く前には採集記をまとめておかないと…!と焦りを覚えてようやく書く気になったのでした。2月の台湾は採集に不向きな気はしますが、存分に楽しんできます!